一般教養対策に何かいいものはないかとネットを彷徨っていたらある合格者のyoutubeが目にとまる。
予備試験に一発で合格するような人はいわゆる地頭がよく、受験勉強なんかで培ったそれこそ教養を持ち合わせている人が多くて教養の点数が結構よくて予備短答は1年くらいの勉強でも合格する。
法律系130で教養が40点前後とか。
しかし、その人の話によれば自分は教養が10点程度しかいないのでとにかく法律系だけでも突破できるくらいの点数をとろうと決めたそうだった。
実際法律系で180程度をとっていたのだが、問題はじゃあどうやってそこまで到達するのかということである。
まず勉強法としての問題点として
過去問しかやらない、やっていない
これだと散々言ってきたように知識自体が断片的になって有機的に結びつかないので、ちょっとでも違う問われ方をすると途端に分からなくなる。
試験に出たところを随時覚えていくだけ。試験で聞かれていなければ本来理解して記憶しておかなければならない同じ条文や同じ判例の別の部分をまったく知らない状態で過ごす。
時折、予備校の解説本などで間違いや誤解があるがそれをそのまま記憶してしまう場合もある。
一般的な流れは、ざっくり言えば、基本書などで下地を作って、試験に出そうな箇所、これまで出てきたところなどを勉強する。司法試験の場合は範囲も膨大なので試験対策として予備校あるいは予備校本などを利用するという感じだろう。
私のように法学部にさえまともに行った事がなく、予備校の基礎講座的なものも受けたことがないくせして、基本書もロクに読んだことがない(多少はありますが)人間が、過去問だけをやっていてもそりゃあ点数が伸びないのは当たり前。
まったく、土台が出来ていないところにコンクリートを流し続けているようなものですよね。
また、私はむかーしヤフオクかなんかで買ったLECの柴田講師のオリジナルテキストというのをまだ持っているんですが、それを見返してみたところ、どう考えても司法試験に使えるような代物ではない。
実際、今でも持ってはいますし、ファイリングもしているので分からないところや知識の確認の為に開いてみるのですが知りたいことが書いていない。
何が言いたいかというと、仮にそのテキストで試験に出るようなところが網羅されていればそのテキストを完璧に自分のものにすればいいわけですが、いくらそのテキスト勉強してもまったく意味がないわけですよね。
勿論その事にはすぐ気づくわけですが、さて、ではそれから一体なにを勉強していけばいいのでしょうか?
何を勉強して何を勉強しなくていいのか?そういう道しるべ的なものになりうるのが予備校なのでしょう。
巷では過去問、過去問言われるので過去問でそれをはかろうとするわけです。
一方で、基本書だけやっていれば合格するかというそんなわけはない。
基本書と言われるものが全て司法試験用に作られているわけではないですし、ましてや短答試験にしか出ないような事まで基本書でイチイチ言及されているとも限らない。
仮に網羅されているような基本書があったとしてもそれを通読して理解して記憶するには勿論ノートを作ったりしなければなりませんし、中には司法試験には必要のない情報も含まれているでしょうからそういうものを取捨選択しなければなりません。これは必要でこれは不要、なんて初学者の時に分かるわけがありません。
だから過去問と言われる理由も分かります。
結局予備校を利用すればこのあたりの作業的なものがショートカットでき、その分本来の勉強に時間を振り向けられます。
今年の刑法の試験で髪の毛を切るって傷害か云々ありましたよね?
あれって受験生は普通間違えないと思うんですが私思いっきり、確信して髪の毛を切るって傷害だとずっと思っていたんですよ。
実はこんな問題って昭和の昔から何度も出されてるんですが、過去問やっているときに間違えて記憶しちゃってるんです。
暴行と傷害の違いとかそういうのは吹っ飛ばして過去問やった後に答え合わせして間違えた問題の解説見て記憶する。
肢が5つあって仮に他の選択肢で答えが出てしまえば他の肢の正誤は分からない。分からないのに分かった気になっている。下手をすると今回みたいに間違って記憶している場合さえあるわけです。そしてそれが結構多い(笑)
要するに知識の抜けが多いし、勘違いも多い。そんなことは勿論分かり切っていたわけでそれを改善しようと論文の勉強を中心にしたものの、論文と短答は勿論違うわけで、短答は短答の勉強をする必要がある。
そして予備短答の勉強というのはあくまで正確な知識であって、問題文の論理構造から推測できるようなものではない。
知っているか知らないかの問題が圧倒的に多い。
その点、旧司短答憲法や刑法などとは違うわけです。もっとも条文や判例の知識の精度が低ければ点数が伸びないのはどちらも同じ。旧司の場合は精度をどんどん上げていったから必ず点数が上がるかと言えば必ずしもそうとは言えないが、予備及び現在の司法短答は精度をを上げていけば必然的に点数があがるようになっている。
以前は問題文の枝葉末節、言葉尻に振り回されていたものが昨年と今年と憲法の点数が少し安定した理由は結局判例の正確な理解が深まったからなのだと思う。
論理云々考えていた時代がありましたね(笑)
逆に、少しでも勉強しないと点数が落ちてしまうのはきちんと理解して記憶していないからなのでしょう。
件の合格者曰く、180点程度とれるような力が一旦つけばもはや短答対策などしなくてよくなると。
確かに現役弁護士の予備校講師の方も特に勉強しなくても短答は8割以上はとれるらしいのでそういうもんなのかもしれません。これは地頭がいい、というのとは違うということでよろしいようです。
たちが悪いのは付焼刃的な勉強でも6割程度はいけちゃうからなんですよね。これで変に勘違いしてしまう。
youtubeで実際に民法の短答を解くところをやっていて思ったんですが、あのテキストいいなと(笑)
勉強しなきゃいけない事が網羅してあるんですよ。あれが正真正銘の予備校本かと(笑)あれ一冊やればいいじゃんと思わせてくれる。
普通は疑問に思ったり、確認したいことは基本書なりコンメンタール、今ならネットで検索しますが、その時間が省略できる。そもそも、その今やっている事が必要十分かさえ分からない。
しかし、とりあえずこのテキスト1冊完璧に仕上げればなんとかなる、とするならばモチベーションも上がるというもの。
という事で自分の勉強法がテキストの選択からして間違っていた、ということに20年かけてようやく気付いたというお話でした(笑)
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