ざっくりまとめ
追記※復習していてまた混乱(笑) 大枠まとめ
取消 ・・・ 違法な行政行為の効力を、原則として行政行為がなされた時点まで遡って失わせること
撤回 ・・・ 成立時には適法であった行政行為を、その後の事情によって効力を存続させるのが望ましくなくなったときに、将来に向かってその効力を失わせること 第13回 行政行為論その5:行政行為の職権取消と撤回
取消権者 処分庁、上級庁
撤回権者 処分庁のみ
不可変更力がある場合いずれもできない 例、紛争裁断行為
飲酒運転などで免許取り消しとなる場合、取消と言う言葉が使われているが撤回にあたる。
〔第22問〕(配点:3)
行政行為に関する次のアからエまでの各記述について,最高裁判所の判例の趣旨に照らし,それぞれ正しい場合には1を,誤っている場合には2を選びなさい。(解答欄は,アからエの順に[№42]から[№45])ア.行政処分は,たとえ違法であっても,適法に取り消されない限りその効力を有する。[№42]
イ.処分庁は,成立時には瑕疵がなかったが後発的な事情の変化により存続させることが妥当でなくなった行政行為について,法令上明文の規定がない限り,その効力を将来にわたり消滅させることができない。[№43]
ウ.特許の無効審決が確定する以前には,特許権侵害訴訟を審理する裁判所は,特許に無効理由が存在することが明らかであるか否かについて判断することができない。[№44]
エ.審査請求に対する裁決は,特別の規定がない限り,裁決庁自らにおいて取り消すことはできない。[№45]
LEC東京リーガルマインドの解説によると、肢アの正答率は3.3%と極端に低い。
百選Ⅰ66「行政処分はたとえ違法であってもその違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと読むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有する」
肢アは、漠然と読んでしまうと〇にしてしまう。恐らく受験生なら行政行為って公定力があるから違法であっても取り消されるまで有効なんだよね、となる。
×にする、ということは要するに取り消されなくても有効としては取り扱われないということになり、感覚的に×にはならない。心理学的にと言ってもいいかもしれない。このあたりウェイソンの4枚カード問題と似たようなものである。
しかし、判例のロジックは重大かつ明白な違法でなければ、取り消されるまで有効という意味なので(要するに無効でない限り有効)、逆に言うと取り消されるまで有効な行政処分は重大かつ明白な違法でない場合のみという事になる。
肢アは全ての違法(重大かつ明白な違法も含む)であっても取り消されるまで有効という意味になるので間違いになる。
分かった上で問題文を読むと恐ろしく簡単な肢なのだが、試験問題を何問も解く過程でこのような肢にあってしまうと途端に引っ掛けられてしまう。そんな人がほぼほぼ全員に近いということに驚愕すると同時に安心する(笑)
多分ほとんどの受験生はこの判例を知っていると思われるが、違法であっても取り消されるまで有効であり、重大かつ明白な違法の場合は無効だ、と理解しているに違いない。
これを一個の文章にまとめてしまうと途端に分かりにくくなる、というか、問い方をちょっと変化させるだけで混乱してしまう。
司法試験の短答式問題はこの手の問題を意識してなのか偶然の産物なのかよく出題される。知識がそもそもない私のような人間だと逆に正解したりする。
さて、私は×にしたので正解したのだが、×にした理由は「すぐ取消せるのでは?」と、完全に間違って覚えていたからだけだったのだ・・・(笑) 行審法46条となんだかごっちゃになっているようだ。こういうことがよくある。
また、すぐに取り消せるとしても取消せるまで有効という話は並立する話なので、必然的に×になるものでもない、ということに今気づく始末(笑)
①公定力の概念 http://www.jura.niigata-u.ac.jp/~ishizaki/ls2013/2013verw08-1.pdf
行政処分は、仮に違法であっても、無効でない限り、正式に取り消されるまで有効なものとして通用する。行政処分のこのような通用力を 公定力という。
公定力に関する最高裁判例の基本的考え方は、ゴミ焼却場設置決定事件最高裁昭和39.10.29判決(民集18-8-1809、判時395-20、ケースブックp.268)が述べているが、これは適法性推定説という古い根拠付けに立脚している(レジュメp.104)。後に述べるように、今日では、取消訴訟の排他的管轄制度を採用した立法制度の結果、公定力が生じるという考え方が主流である。
判例は自分語に変換
上のPDFの説明では単純に「違法であっても無効でない限り取り消されるまで有効」と書いてあり物凄く分かりやすいのだが、判例を再度引用すると、「行政処分はたとえ違法であってもその違法が重大かつ明白で当該処分を当然無効ならしめるものと読むべき場合を除いては、適法に取り消されない限り完全にその効力を有する」と、読んだ後は分かった気になっているのだが、結局よく分かっていないのだ。判例の場合は、当然無効ならしめるものと読むべき場合という、なんとも分かりにくい日本語が使われていて、字面だけを追っていると足元をすくわれるのだ。
判例はもとより、基本書などの解説でも、自分で本当に理解できる自分語に解釈翻訳しないと試験的に対応できない場合が多いことを改めて悟る。
行政行為を適法に取り消すとはどういうことか?
ここで混乱していることに気づく。
適法に取り消されるまで有効ということは、自由に取り消せるのか、取り消せないのか。
処分を変更したりできたはずだよな、、、。
行政行為を取り消せる場合
http://www.jura.niigata-u.ac.jp/~ishizaki/ls2013/2013verw08-1.pdf
c)なぜ、取消訴訟の排他的管轄が公定力の根拠となるのか
ア)行政処分の取消権者は限定されている。
職権取消の場合:処分行政庁とその上級行政庁(上級庁に関しては、法律の根拠が必要かどうかについて見解が分かれている)
争訟取消の場合:不服申立てにあっては審査庁(審査請求の場合)又は処分庁(異議申立ての場合)。取消訴訟にあっては裁判所。エ)これは違法な行政処分が事実上通用しているというものではなく、法制度上の通用力である。これが公定力である。
オイ、不可変更力、取消せるのかい、取り消せないのかい、どっちなんだい
いや、不可変更力もあったよね、取り消せないのかい、取り消せるのかい、どっちなんだい
行政行為の「取消し」と「撤回」の違い
不可変更力がある行政行為の職権取消しはできない
不服申立てに対する裁決には、不可変更力が働きます。そのため、裁決した行政庁自身は職権取消しができません。
エーーーーーそうなんすか(笑)そんな簡単な話なんすか(笑)
公定力、不可争力、不可変更力、自力執行力とは?
原則として、行政行為が、違法だったり不当だったりした場合、その行政行為を行った行政庁は、あとで取り消しすることができますしかし、上記のように変更できない場合があるんです。それは、行政庁が行った「紛争裁断行為」
なるほど、違法不当な行為は取消せるけど、裁決など裁判に似たような行為は取り消せない。藤田宙靖 行政法入門第五版P118
ようやく混乱のもとが解消しました。。。(笑)