司法試験と予備試験の通算不合格回数1位というブログがあります。
ん、これ俺が書いたっけ?と思うほど似ていて笑うに笑えない(笑)
振り返ってみると、試験前数か月だけしか勉強しないのでほとんどの勉強期間は短答対策=過去問をやり直すだけ。
短答でしか問われないような、いわゆる短答プロパーの問題というのは実際の試験では半分もなく、おそらく3割以下だと思う(あくまで感覚ですが)。
残りの7割は論文的というわけではなく、要するに受験生なら押さえておくべき論点だったり判例だったり、基礎的な知識問題(論文を書く際にも知っておくべき知識という意味で)になり、この部分の勉強を過去問を解く際にやり直していたということになります。
題意が採点実感ではよく使われていますが、短答の問題にも題意があります。それがすぐに分かる場合と分からない場合がある。
旧司短答のようなパズル問題、並べ替え、穴埋めなどは論外ですが、短答の過去問を解いているだけではその題意になかなか気づかない。
論文の出題趣旨などでその旨指摘があってもよく分かっていない場合が多いのだから猶更ですよね。
題意に気づかないということは、要するに過去問の解説だけでは見えてこない論点とも言えないような問題の本質が分からないまま答えを丸暗記しているに等しい。
だから、同じような問題、論点が出題されても問われ方や事例を少しいじくるだけで途端に分からなくなっていたわけです。
そして、これは論文の過去問をいくらやっても身につかない。なぜなら、巷に出回っている参考答案や再現答案が必ずしも、試験委員の言う題意には答えていないからです。
試験委員の言う題意とは換言すれば、一般的に論点とされていることが、なぜ論点とされているのか理解しているのかって事だと思います。
こういう観点は何も論文でだけ出題されるものでもなくて、短答でだって出せますし、論文でだって題意を隠すことができるので短答だって同じく題意を隠せます。
そうすると、問題によっては一体何が聞きたいんだという短答問題もありますし、逆に分かり切った事をなぜ聞く、もしかすると引っ掛けか、と思ったりすることもありますが、題意が分かっていると解答の道筋がつけやすい。
そして、こういう問題が仮に3割くらいあるとすると、そういう問題は今までの勉強法では確実に得点には結びつけることはできない。
そもそも短答プロパーでさえ良くて8割いかないと思います。
従って短答プロパー3割中の80%の得点率で24%
残り7割中よくて50%の得点で35%
合計59%程度の得点率しか上げられないことになり、今までの成績を見るとだいたいこんな感じで見事に付合します(笑)
要は今まで通りのやり方を踏襲していても何の積み上げもない。
そして、積み上げるために勉強時間を増やす方向で考えた時期もありましたが、確かにそれも必要ですが、それだけではダメで勉強の内容、やり方を根本的に見直す必要があったという事だと思います。
論文の勉強が短答に役立つのか、あるいは短答対策は必要か、など短答と論文の違いや勉強についてよく言われる事ですが、いずれにしてもその勉強の方向性が間違っていればいくら勉強しても積み上げはない。
仮に論文の勉強が短答にも役立つとして、論文の再現答案をただ読みまくるだけだと意味がありません。
それは出題の趣旨や採点実感を読んでいてよく分かりました。
短答試験が終わった後に予備校が解答速報をだしますが、あれでさえかなり間違いがあります。
という事は、司法試験に合格したであろう人たちが集まって出した答えも司法試験委員会の考える答えとは違う場合が多々ある。それくらい捉え方、解釈の仕方には違いがあるということなのだと思います。
再現答案をただ読み込み、論点の書き方などを真似てもほぼ意味がない。むしろ逆効果な事さえあるという事です。
こういう点を自分なりに見透かして勉強しなければならなかったわけですが、今は出題の趣旨などが公表されているのでかなり勉強しやすくなったかもしれません。
とは言え、極論すればある程度、受験者の平均レベルの文章が書けていれば合格しますから、学者レベルの深い考察は不要とも言えます。
そこらへんのメリハリをつけられずに昔はベテラン化する人が多かったのかな、とふと思いました。
結論としては短答対策はやはり必要だけど、その前にやる事あるでしょ(笑)、というのが個人的見解となりました。