令和2〔第16問〕(配点:2)
株式会社の設立に関する次のアからオまでの各記述のうち,正しいものを組み合わせたものは,
後記1から5までのうちどれか。(解答欄は,[№16])
ア.各発起人は,設立時発行株式を1株以上引き受けなければならない。
イ.設立時募集株式の引受人が払込期日又は払込期間内に設立時募集株式の払込金額の全額の払
込みをしていないときは,発起人は,当該払込みをしていない設立時募集株式の引受人に対
して,期日を定め,その期日までに当該払込みをしなければならない旨を通知しなければな
らない。
ウ.発起人がその出資に係る金銭の払込みを仮装することに関与した設立時取締役が,株式会社
に対し,払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払をしたときは,出資に係る金銭の払
込みを仮装した設立時発行株式について,設立時株主及び株主の権利を行使することができ
る。
エ.設立時募集株式の引受人が設立時募集株式の払込金額の払込みを仮装した場合において,当
該引受人が株式会社に対して負う払込みを仮装した払込金額の全額の支払をする義務は,総
株主の同意によっても,免除することができない。
オ.判例の趣旨によれば,株式会社の設立の際,発起人による出資の履行がいわゆる見せ金によ
って仮装されたものであったにもかかわらず,出資の履行が完了したとして商業登記簿の原
本である電磁的記録に資本金の額の記録をさせた行為は,電磁的公正証書原本不実記録罪に
当たる。
1.ア イ 2.ア オ 3.イ エ 4.ウ エ 5.ウ オ
正解は2
ウ.発起人がその出資に係る金銭の払込みを仮装することに関与した設立時取締役が,株式会社に対し,払込みを仮装した出資に係る金銭の全額の支払をしたときは,出資に係る金銭の払込みを仮装した設立時発行株式について,設立時株主及び株主の権利を行使することができる。
まず日本語として主語が長い(笑)
仮装していたが全額を払い込んだ。しかし、株主の権利は行使できないという。は?
完全に読解力があさっての方向にいっているようだ(笑)
これを漠然と全額払ったから権利行使できるでしょ!と考えてしまうのが短答常連落ち。
この文章は実際に払い込んだ取締役が言わば発起人の権利を行使できると言っているわけで、そうなると話は別だ。
肢エは免除できないとなっているが、条文に免除できるとあるので明確に間違いである。しかし、仮想の払い込みで、不足分を払う義務がなくなった場合、当該不足分ってどうするんでしょうか?と思って〇にしたのだが。。。
どっかに帳尻合わせの規定があるのだろう。