予備試験短答の年代別合格率トップは50代前半
正直これを見てびっくりしました。
なんせ旧司時代言われていたのは短答はベテラン排除のため論理パズル問題を出している、などとまことしやかに囁かれていたからです。
確かに予備短答はそういった問題が当初は影を潜めていました。だからでしょうか、私の成績もさほど悪くなかったです。
しかし、ここ数年は刑事系で論理パズル系の問題が少し出題されるようになってきました。
また、旧司短答憲法も穴埋めが20個とか、文章並べ替え問題とかが出されていました。私はこれが非常に苦手でしたが、現在の憲法では見かけません。だからでしょうか、そこそこ点が取れ始めたのは。
予備試験が始まった当初そこそこ点が取れていた民訴などは最近点がとれませんし、明らかに傾向が変わっていると思います。
すごく腑に落ちたのでさらに引用抜粋しておきます。
「50代前半まで勉強を続けた者が一番受かりやすい試験」など、誰も受けたくないでしょう。だから、そのような年代層が受からないような出題、採点をする。具体的には、長文の事例問題を出題し、規範と事実、当てはめ重視の採点をするということです。規範も、判例の規範であれば無条件に高い点を付けるが、学説だとかなり説得的な理由を付していなければ点を付けない。若手は、とにかく判例の規範を覚えるので精一杯です。しかし、勉強が進んでくると、判例の立場の理論的な問題点を指摘する学者の見解まで理解してしまいます。「そうか判例は間違いだったのか。」と、悪い意味で目から鱗が落ちる。こうして、年配者は、「間違った」判例ではなく、「正しい」学説を書こうとします。この傾向を逆手に取れば、若年化効果のある採点ができるというわけです。この採点方法は、「理論と実務の架橋という理念からすれば、まず判例の立場を答案に示すことが求められる。」という建前論によって、正当化することができる点でも、優れています。
予備試験の論文式試験の問題は、旧司法試験の問題に外見が似ています。しかし、旧司法試験時代と現在とでは、若年化方策が異なる。旧司法試験時代は、比較的単純な基本重視で、とりあえず趣旨を書けば受かる、というものでした。だから、趣旨に遡る形式の予備校論証を貼っていれば、当てはめがスカスカでも受かっていたのです。これに対し、現在の予備試験は、規範の明示と事実の摘示に極端な配点を置く当てはめ重視です。ですから、論証を貼って当てはめがスカスカというのでは、危ない。旧司法試験過去問を解く場合には、この点に注意する必要があります。3 このように、短答では知識重視の出題、採点をして高齢化させておいて、論文で若年化させる。現在は、そのような仕組みになっています。なぜ、短答段階でも若年化の方策を採らないのか、不思議に思う人もいるでしょう。かつての旧司法試験では、短答でも複雑なパズル問題を出題するなど、知識では解けない問題を出題して、若年化を図っていました。ところが、そのような手法は、見た目にも法律の知識・理解を問う気がないことがバレてしまう出題形式だったので、もはや法律の試験ではない、というまっとうな批判がなされました。しかも、短答段階で知識を問わなくなった結果、あまりにも知識のない者が合格してしまい、修習に支障が生じるという事態にもなりました(旧試験でも民法だけは知識重視の傾向が維持されたのは、これだけは譲れない一線だったからだと言われています。)。そして、そもそも、年配者も知識で解かないということに気付いてしまい、若年化効果が薄れてしまった。そこで、新司法試験では、そのような出題はしないこととされたのです。
確かに昔は司法修習が2年ありましたよね。法的知識はそこで学べばいいと。逆に言うと短期決戦で受かる人も結構いたというのも頷ける話です。
いずれにせよ、私の場合は知識の絶対量が不足しているのでお話にならないのですが。
とは言え、ベテランを排除するために規範重視、当てはめ重視に変更したかというとそうでもないような気もします。
もともと、あの悪名高き論証パターンは若手であれベテランであれやっていてそれが司法試験委員会の頭痛のタネだったと思いますが、論証パターンでは点数がとれない、伸びないような出題、採点方法にした、と言ったほうがいいのかもしれません。しかし、規範重視、当てはめ重視だから若手有利ではないような気がします。
当然、それが分かればそれについての対策が出回りますよね。そうすると結局勉強時間が長い方が有利に働くのではないでしょうか。若手の間でも勉強時間が長い方が有利に働きますよね。逆に言えば勉強時間が長いから合格するわけでもないですが。
もっとも、短答でもパズル系の問題が出始めているのでそのうち短答も旧司みたいになっていくかもしれません。
国としては若手を採用したいので年齢制限を設けたいが、そうもいかない。
それであの手この手で若年者有利になるように制度設計してきた節があります。旧司時代の丙案なんかもありました。
優秀な若手が欲しい、というのは要するに裁判官、検察官を採用する立場からだと思いますが。
だとすると裁判官、検察官は別途試験を行って採用すれば?と思いますがそうしないのは司法試験という枠で一括して合格させ、修習の中で選抜したいのでしょう。
そもそも裁判官が若手である必要があるのか?という批判もあると思うのでもしかすると若手にこだわる理由は別のところにあるのかもしれません。
若手を有利にしようと受験制度をコロコロと変えている結果、逆に受験期間が長期化しているようにも思われます。
仮に合格者の平均年齢が40オーバーくらいだったとしても、別にそれはそれでいいような気がしないでもないですし。
昔言われていたのは受験が長期化してしまうことの弊害でしたが、逆に社会人の人が一念発起して1年くらいの勉強期間で合格できるような試験であればいいかというとそういうわけにもいかない。簡単な試験にしたとしても受験が長期化する一定の層はいるはずです。
あくまで、司法試験というものを一つの国家資格としての試験と見るならば、その一定の知識や経験ありとする基準以上の人は全員合格でいいわけです。その中から各弁護士事務所が採用するしないを決め、裁判官や検察官として採用するしないを決めるで問題ないはず。
司法修習は行う必要がなく、裁判官や検察官に採用された場合は別途必要であれば研修を行えばいいと思います。
仮に50歳で司法試験に合格したとして、その人がどこかの弁護士事務所に採用されるかされないかはその人次第であり、受験が長期化して人生棒に振るかもしれないから早く合格できるような試験制度にしてあげようとか言うのは大きなお世話のような気もします。
司法試験についての国の対応を見ているとなんだか日本的官僚的思考の典型だな、などと鼻くそほじくりながら思うベテランでした(笑)
あ、あとなぜベテランが短答に比べて論文はダメなのかというと、結局短答の勉強ばっかりやる社会人受験生が多いからだろうと推測。
短答対策に時間をかけ、論文対策は論文試験前2か月程度。論文が終わるとあまり勉強せず、論文不合格の通知を受ける。そうこうしているうちに年をまたぎ、そろそろ出願、勉強開始。時間がないので短答対策。
多分この繰り返しだと思う。元々旧司時代は短答は憲民刑の3科目。行政法に至っては勉強すらしてない人も多いはず。なので旧司時代から勉強していたベテランだから知識有利かと言うとそうでもないと思われる。
とは言え、今の予備短答は旧司短答と比べると1年程度の勉強で受かる確率は予備短答のほうが低そうなので、そういう意味では知識の絶対量は勿論多く必要ではありますね、って科目増えてるし当たり前か(笑)
※追記
そう言えば予備試験が始まってもう10年超えてますよね?
そうすると、旧司とか関係なく、予備だけでも既にベテランがいるわけですね。。。
光陰矢の如し
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