無効等確認訴訟の条文から分かる法律を日本語として認識してはいけない理由

(無効等確認の訴えの原告適格)
第三十六条 無効等確認の訴えは、当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者で、当該処分若しくは裁決の存否又はその効力の有無を前提とする現在の法律関係に関する訴えによつて目的を達することができないものに限り、提起することができる。

行政訴訟類型間の補充性について
悪条文をそのまま論理として文法として読むと1元説以外には考えられないが,立法関係者や有力学説5),判例6)は2元説を採り,前文の予防訴訟を独立して認める。
そして判例は2元説を更に実務的に押し進めて,「直截的で適切」であれば補充性はいらないと言う立場7)に立つに至っている。新2元説8)と名付けておきたい。

確かに「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」となっており、①「当該処分又は裁決に続く処分により損害を受けるおそれのある者」と②「その他当該処分又は裁決の無効等の確認を求めるにつき法律上の利益を有する者」が直接つながっており、その間に又はなどの接続詞がないので別々の対象ではないという読み方が素直な読み方に違いない。
それを様々な理屈を持ってきて別の読み方をしてしまう、というのが法律の世界であり、結局法律の勉強とはそういう事を勉強するということに他ならない事が分かる。
司法試験の論文では自分なりの考え方を答案に書けと言われるが、常識とは違う考え方をして許されるのは裁判所や教授くらいのものである。
詰まる所、判例や学説に依拠しつつ、それをあたかも自説のように体裁を整えて答案上に表現するということになるだろう。

二元説は後段が②のみにかかるという説のようであるが、理由は分からない。
もんじゅ訴訟最判平4.9.22百選Ⅱ181
後段の補充性に関して、現在の法律関係に関する訴えによるか無効確認で争わせるかはいずれが当該紛争を解決するためのより直截的で適切な争訟形態であるかで決するとしているので補充性がいらないというわけではなく補充性の意味を読み替えているものと思われる。

二元説はこういう考え方らしい
①予防的無効確認
②補充的無効確認
予防的無効確認の訴え

日本語だと思わない。外国語だと思う!

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