安倍元首相が銃撃されお亡くなりになりました。謹んでご冥福をお祈り申し上げます。
さて、犯行の動機としてあげられているのが旧統一教会と安倍元首相との関係です。
今の若い人は統一教会と言ってもピンとこないので、関係団体で演説したくらいで銃撃するなんて頭狂ってるとなるのも分かりますが、昔は霊感商法などで社会問題化していた事を知っている年配の方も多いはず。
むしろ、新興宗教は胡散臭いというイメージを社会に植え付けた元祖と言ってもいいかもしれません。
欧米ではカルトに認定されていることからも分かるように、布教活動や集金方法など日本でも裁判所で違法とされた事例もあり、また、洗脳、マインドコントロール的手法で信者を獲得していく手段は後のオウム真理教などでも模倣されたとも言われています。
安倍元首相はこの団体の幹部でもなければ信者でもないから批判するのはお門違いだ、というのは一見正論ですが、この団体と自民党との関係を紐解いてみるとそう単純に言い切れないところに闇を感じるのは私だけではないでしょう。
そこで、ふと思ったのは安倍元首相やその他関係するような自民党の各議員の人たちは政教分離原則に引っかからないのか?という点です。
「行為の目的が宗教的意義をもち、その効果が宗教に対する援助、助長、促進又は圧迫、干渉等になる」のかどうか?
靖国神社に参拝をするだけでも政教分離原則に違反する場合もあるわけですから、例えば特定の宗教団体の集会などに登壇してその団体の活動を称賛するなどという行為はかなり怪しそうな気がします。
とは言え、政府としてそれを行う場合(肩書が総理や閣僚)は分かりやすいですが、単なる一国会議員として行う場合はまた別というか恐らく私的なものという位置づけになろうかと思います。
犯人が安倍元首相をターゲットにした直接のきっかけはこの団体の設立に関しての動画だと言われていますが、当時すでに総理ではありません。
世界の専門家2000人以上が集う「シンクタンク2022」が発足
一見して宗教色とは無縁ですね。しかも世界中の著名人が名を連ねています。こちらのサイトには当該動画は掲載されていないようです。
安倍元首相は「統一教会」の映像になぜ登場したのか(1)こちらのサイトによれば
実際に安倍元首相は、世界平和統一家庭連合の団体である天主平和連合(UPF)と同連合が昨年9月に仁川(インチョン)の松島(ソンド)セントラルパークホテルで共催した「新統一韓国定着のためのシンクタンク2022」発足式に続く希望前進大会で、映像で基調演説を行っている。安倍元首相はこの演説で「全体主義、覇権主義国家の、力によって現状の変更を強行しようという策動を阻止しなければならない」、「日本、米国、台湾、韓国などの自由と民主主義の価値を共有する国々の結束が、より一層求められている」と述べている。この行事では、安倍元首相だけでなく米国のドナルド・トランプ前大統領、カンボジアのフン・セン首相、ジョゼ・マヌエル・バローゾ元欧州委員会委員長らも同様の方法で参加している。
これだけ見ると、なぜその動画を見て安倍元首相がターゲットになるのか疑問に思います。もはや政教分離とは何の関係もないように思えます。
そもそも論として、UPFが旧統一教会の関連団体であるということを知っていなければその動画は見ないはずで、そうすると旧統一教会と自民党との関係性もそれまでに少なからず知っていたと思われます。
その当該動画がないか検索していると興味深いものを発見。
安倍元総理との関わりは「友好団体であるUPF(天宙平和連合)」世界平和統一家庭連合(旧統一教会)の日本教会会長
自民党と旧統一教会との関係性がどういうものかは分かりませんが、いずれにしろ昔から何らかの関係性がある事は否定できない事実のようですね。
靖国神社公式参拝については憲法訴訟となっていますが、特定の宗教団体に対しての一国会議員が祝電送ったりすることは政教分離には反しないというのが基本だと思われます。
しかし、その事と、議員や政党がその団体を援助、助長、促進をしているかは別であり、実際のところはどうあれ、援助、助長、促進をしていると思われかねない、否、思われてもいいという行動のようにも思えますね。
勿論だからと言って犯人の行動が正当化されるものでもありませんが。
ということで安倍元首相のUPFに対するビデオメッセージは政教分離原則に違反するものではないという事で納得しました。
そりゃメディアで政教分離からの問題提起はありませんよね(笑)
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