平成23
〔第31問〕(配点:2)
処分の取消しの訴えの出訴期間等に関する次のアからウまでの各記述について,行政事件訴訟
法又は最高裁判所の判例に照らし,正しいものに○,誤っているものに×を付した場合の組合せ
を,後記1から8までの中から選びなさい。(解答欄は,[№66])
ア.処分に係る通知の書面が当該処分の相手方の住所に郵便により配達された場合には,当該処
分の取消しの訴えの出訴期間に係る「処分(中略)があつたことを知つた日」(行政事件訴訟
法第14条第1項)については,反証のない限り,当該書面の配達された日がこれに当たると
される。
イ.処分につき審査請求をすることができる場合において,適法な審査請求があったときは,処
分の取消しの訴えは,その審査請求をした者については,これに対する裁決があったことを知
った日から6か月を経過するまでは,処分があったことを知った日から6か月を経過した後で
あっても,適法に提起することができる。
ウ.法律に当該処分についての審査請求に対する裁決を経た後でなければ処分の取消しの訴えを
提起することができない旨の定めがある場合には,審査請求があった日から3か月を経過して
も裁決がないときに限り,裁決を経ないで,処分の取消しの訴えを適法に提起することができ
る。
肢のイに注目したい。
イ.処分につき審査請求をすることができる場合において,適法な審査請求があったときは,処
分の取消しの訴えは,その審査請求をした者については,これに対する裁決があったことを知
った日から6か月を経過するまでは,処分があったことを知った日から6か月を経過した後で
あっても,適法に提起することができる。
こんな文章がまかり通っているから日本人は英語ができないのだと思うし、国際社会では通用しないのだと思う(笑)
分解 整理
審査請求ができる場合に適法な審査請求をした
その後取消訴訟を提起する場合は
処分があったことを知った日から6か月を経過した後でも
裁決があったことを知った日から6か月を経過するまでは
処分の取り消しの訴えを提起できる
という事でここで聞いているのは審査請求してから処分の取り消しの訴えを提起する場合の期間はどうなるのかという事であり、結構簡単なようだ(条文を知っていれば)
(出訴期間)
第十四条 取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
2 取消訴訟は、処分又は裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
3 処分又は裁決につき審査請求をすることができる場合又は行政庁が誤つて審査請求をすることができる旨を教示した場合において、審査請求があつたときは、処分又は裁決に係る取消訴訟は、その審査請求をした者については、前二項の規定にかかわらず、これに対する裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したとき又は当該裁決の日から一年を経過したときは、提起することができない。ただし、正当な理由があるときは、この限りでない。
この条文も読みにくい
原則 取消訴訟は、処分又は裁決があつたことを知つた日から六箇月を経過したときは、提起することができない
→ 取消訴訟の提起できる期間 処分又は裁決を知った日から6か月
3 審査請求があったときは、これに対する裁決があったことを知った日から6か月を経過したときは取消訴訟は提起できない
→審査請求をした後に取消訴訟を提起できる期間は裁決があったことを知った日から6か月まで
取消訴訟と審査請求は別個に提起できる
従ってその提起できる期間を調整するもの
通常、取消訴訟を提起できる期間は処分があったことを知った日が起点だが、審査請求を既に行っている場合に取消訴訟を提起する場合は裁決があったことを知った日を起点にすることによって救済していると言える。
正答 2 ア〇 イ〇 ウ×
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