譲渡担保まとめ

以下基本法コンメンタール民法物権第三版P260頁から

譲渡担保契約
①目的物を譲渡する行為
②その譲渡が一定の債権の担保のためであるという目的を限定する合意

目的物
譲渡可能なすべての財貨

被担保債権
金銭、現存将来、案数複数 など質権、抵当権と同様

対抗要件
※ここで言う対抗要件は第三者に対して譲渡担保を対抗するという意味ではないようだ
動産 引き渡し
不動産 登記
債権 債権譲渡の通知承諾

対内的効力
かつての判例は①外部的にのみ移転②内外部ともに移転などと区別する考え方のうち②をとっていたようだが、対内的には所有権が移転しているといっても制限があるので後述のように外部的に移転しているに決まっている。これを外部的にのみとか内部では移転していないとか区別してもほとんど意味がない。

※しかし、これが旧司短答で出題されていた(笑)とは言え、こういう問題の場合は刑法でよく見かけた説を複数並べてグループ分けさせるものであり、説自体は問題に例示されているから論理問題に入るだろう。

譲渡担保権利者の義務
譲渡担保権利者=権利者は、目的物を処分したり、毀滅したりすると債務不履行になる。逆に設定者も担保の目的が達するように補完する義務を負うから目的物を処分したり毀滅したりできない。

対外的効力
譲渡担保権利者が権利者として扱わざるを得ない。
従って権利者が目的物を処分した場合、第三者の善悪問わず目的物を取得できる。
設定者が処分した場合
権利者は譲渡担保権を主張できる。もっとも相手方が善意であれば引き渡しを受ければ即時取得する。その場合譲渡担保権は消滅する。

譲渡担保権の実行

履行遅滞があれば
①その時点で実行の効果が生ずる当然帰属型
②さらに意思表示が必要な請求帰属型 ・・・原則的

実行の内容
目的物取得型 ※試験の表現では帰属清算という表現のようだ
第三者へ処分する権利を取得する処分取得型

清算の要否
目的物の価値と被担保債権の差額の清算を要求できるか

清算型
非清算型

そもそも、譲渡担保は法律があるわけではないので結局当事者の約定内容による。約定がない場合は判例によることになる。
清算については以下の判例が載っている。
債権者が目的物の引き渡しを求めるには清算を要する最判昭46.3.25民集25巻2号208頁
常識的にいって清算を要するだろう

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